ハンドクリームとボディクリームの違いは?使い分け方を解説
「プレゼントでもらったハンドクリームがなかなか減らない」「旅行ではできるだけ荷物を軽くしたいので、体にも使えたら助かる」。そんなふうに感じたことはありませんか。
ハンドクリームとボディクリームは、どちらも肌をうるおすアイテムですが、実は配合バランスや役割にははっきりした違いがあります。違いを知らずに使うと、ベタつきや肌トラブルにつながることもあります。
この記事では、両者の違いを理屈から整理しつつ、余ったハンドクリームを無理なく全身ケアに活かす方法を解説します。これを読めば、兼用しても問題ないケースと専用品を選んだほうがよいケースを見極められるようになるでしょう。
最大の違いは油分と被膜力にあり

ハンドクリームとボディクリームは、どちらも基本構成は「水+油+保湿成分」でできています。ただし、どの成分をどれくらい重視しているかが大きく異なります。この配合バランスの違いが、使い心地や向いている部位の差を生みます。
ハンドクリームは、頻繁な手洗いや水仕事でもうるおいを守れるよう、油分が多めに設計されています。肌表面にしっかり膜を作り、水分の蒸発を防ぐ役割が強いのが特徴です。その分、テクスチャはやや固めで、少量でも「守られている感」が出やすくなっています。
一方、ボディクリームは腕や脚など広い範囲に塗る前提で作られています。水分量が多く、軽く伸びる処方が中心です。角質層になじみやすく、肌を柔らかく整えながらうるおいを与えることに重点が置かれています。
違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | ハンドクリーム | ボディクリーム |
|---|---|---|
| 水分と油分の比率 | 油分多め | 水分多め |
| 被膜力 | 強い | 弱め |
| 目的 | 水分を逃さない保護 | うるおい補給と柔軟 |
| テクスチャ | 固め・こっくり | 軽め・伸びが良い |
| 想定部位 | 手・指先 | 腕・脚・胴体など広範囲 |
この違いから分かる通り、ハンドクリームは「保護(プロテクト)」が主役、ボディクリームは「保湿と柔軟(モイスチャー)」が主役です。どちらが優れているという話ではなく、役割が異なるだけです。
この前提を理解しておくと、余ったハンドクリームをどこに使うべきか、逆に専用のボディクリームを選ぶべき場面が判断しやすくなります。
ハンドクリームは体に塗っても大丈夫?
結論からお伝えすると、ハンドクリームを体に塗っても基本的には問題ありません。配合されている成分はボディクリームと大きく変わらず、肌に有害なものが入っているわけではないからです。余っているハンドクリームを活用したい、旅行や外出先でアイテムを減らしたいという場合にも、選択肢としては十分アリです。
ただし注意したいのは、どこに、どう塗るかという点です。ハンドクリームは「手を守る」目的で作られているため、油分が多く被膜力が強めです。その特性が合う部位もあれば、逆にトラブルの原因になりやすい部位もあります。
皮脂腺が少なく乾燥しやすい部分、たとえばかかとやひじ、ひざなどは、ハンドクリームの油分の多さがプラスに働きます。水分の蒸発をしっかり防げるため、ボディクリームよりもしっとり感を得られる場合があります。
一方で、背中やデコルテのように皮脂分泌が比較的多い場所や、広範囲に一気に塗る場合は注意が必要です。被膜が強すぎると毛穴が詰まりやすく、ニキビやベタつきの原因になることがあります。また、伸びが悪いため、無理に広げると摩擦が増えやすい点も見逃せません。
つまり、ハンドクリームは体に塗ってもOKですが、部分使いが前提です。乾燥が気になるポイントケアとして使う分には心強い味方になりますが、全身保湿を目的とするなら、やはりボディクリームの方が快適で効率的です。用途と部位を意識して使い分けることが、肌トラブルを防ぎながら賢くケアするコツと言えます。
塗ってもOKな部位

かかと・ひじ・ひざといった部位は、ハンドクリームを体に使うメリットが出やすい代表例です。これらの場所は共通して皮脂腺が少なく、角質が厚くなりやすいため、一般的なボディクリームでは保湿力が物足りないと感じることもあります。
ハンドクリームは油分が多く、被膜力が高い設計です。その特性が、このような「ガサつきやすいパーツ」と相性良く働きます。
塗ってもOKな理由
- 皮脂腺が少なく、水分を保持しにくい
- 角質が厚くなりやすく、硬さや白っぽさが出やすい
- 摩擦や刺激を受けやすく、保護が必要
- 部分使いなので、ベタつきが気になりにくい
特にかかとは、歩行による刺激で水分が奪われやすく、乾燥が進むとひび割れの原因にもなります。油分の多いハンドクリームでしっかりフタをすることで、水分蒸発を防ぎやすくなります。
ひじやひざも同様で、衣類との擦れや曲げ伸ばしによって乾燥が進みやすい部位です。入浴後に少量をなじませ、軽く押さえるように塗ると、しっとり感が長続きします。
ポイントは、あくまで部分ケアとして使うことです。広げて伸ばすのではなく、置いてなじませる意識で使うと、ハンドクリームの良さを活かしやすくなります。乾燥が気になるパーツ限定で取り入れると、余ったハンドクリームも無駄なく活用できます。
避けたほうがいい部位

背中やデコルテ、太ももやお腹などは、ハンドクリームの使用を避けたほうが無難な部位です。成分そのものが危険というわけではありませんが、設計上の特性が合わず、肌トラブルにつながる可能性があります。
まず注意したいのが、背中やデコルテです。これらは体の中でも皮脂腺が多く、汗や皮脂の分泌が活発なエリアになります。そこに油分が多く被膜力の強いハンドクリームを重ねると、肌にとっては「守りすぎ」の状態になりやすくなります。
塗るのを避けた方がよい理由
- 皮脂腺が多く、毛穴が詰まりやすい
- 油分過多になると、ニキビや吹き出物の原因になりやすい
- 被膜力が強く、蒸れやすい
- 汗と混ざるとベタつきやすい
特にデコルテは顔に近く、スキンケアの影響も受けやすい場所です。肌トラブルが出ると目立ちやすいため、専用の軽いボディケアアイテムを選んだ方が安心です。
次に、太ももやお腹などの広範囲です。ここでのデメリットは、肌トラブルよりも「使いにくさ」にあります。
広範囲に塗るのをおすすめしない理由
- テクスチャが固く、広げにくい
- 無理に伸ばすと摩擦が起きやすい
- 塗布に時間がかかり、ストレスになる
- 使用量が増え、コスパが悪い
広い面積をケアする場合は、伸びの良さや浸透スピードも重要な要素になります。ハンドクリームは部分的な保護には優秀ですが、全身用としては効率が悪く、肌への負担も増えやすくなります。
このような部位では、水分量が多く、なめらかに広がるボディクリームやボディミルクを使い分ける方が、結果的に肌をきれいに保ちやすくなります。用途に合った使い分けが、トラブル回避の近道です。
余ったハンドクリームを全身に使う裏ワザ
余ったハンドクリームは、そのまま全身に塗ろうとすると「固くて伸びにくい」「ムラになりやすい」と感じがちです。この欠点さえ解消できれば、捨てずに最後まで使い切ることができます。ポイントは、油分の多さをうまく薄めることと、用途を少し変えることです。
まず試してほしいのが、化粧水と組み合わせる方法です。ハンドクリームは油分が多く被膜力が高い反面、水分が少ない設計です。そこに水分を足すことで、一気にボディ向きの質感になります。お風呂上りの濡れた肌にそのまま薄く塗る、手のひらに化粧水を出し、ハンドクリームと混ぜてから塗るなどの方法は実践しやすいでしょう。
次におすすめなのが、シェービングクリームの代わりとして使う方法です。ハンドクリームの強みである油膜が、肌をしっかり守ってくれます。カミソリ負けを防ぎやすくなるだけでなく、刃の滑りが良くなったり、処理後の乾燥を防げる点でもメリットがあります。特に、ひじ下やひざ下など部分的なムダ毛処理には相性が良く、処理後の保湿まで一度で済ませられるのは嬉しいポイントです。
使い分けのイメージを、表で整理すると次のようになります。
| 使い方 | 向いている部位 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 化粧水と混ぜて使う | 腕・脚など広めの範囲 | 伸びが良くなり摩擦が減る | アルコール強めな化粧水は避ける |
| 濡れた肌に重ねる | 乾燥しやすい部分 | 乳化しやすく時短になる | 塗りすぎるとベタつく |
| シェービング代用 | ひじ下・ひざ下 | 肌保護と保湿が同時にできる | 顔やVIOは避ける |
このように、少し使い方を変えるだけで、ハンドクリームは「余りもの」から実用的な全身ケアアイテムに変わります。目的に合わせて賢く使い切ることが、肌にも気持ちにも無駄のないケアにつながります。
ボディクリームを手に塗るのはアリ?

結論からお伝えすると、ボディクリームを手に塗るのはアリです。ただし、ハンドクリームと同じ感覚で使うと、物足りなさを感じやすい点は理解しておきたいところです。
ボディクリームは、広い範囲に素早く伸ばせるよう水分量が多めに設計されています。その分、手洗いやアルコール消毒を繰り返すと落ちやすく、保湿の「持ち」は短くなります。成分的に問題があるわけではありませんが、保護力という点ではハンドクリームに及びません。
一方で、30代のライフスタイルを考えると、あえてボディクリームを手に使うメリットもあります。デスクワーク中や外出前など、ベタつきを残したくない場面では、軽い使用感がむしろ快適です。キーボードやスマートフォンに油膜が残りにくく、塗った直後から作業に戻れます。
| 項目 | ボディクリームを手に使う場合 | ハンドクリームを手に使う場合 |
|---|---|---|
| 使用感 | 軽くてサラッとしやすい | しっとり感が長続き |
| 保湿の持続 | 短め、こまめな塗り直しが必要 | 長時間キープしやすい |
| 向いているシーン | デスクワーク前、外出前 | 水仕事後、就寝前 |
| ベタつき | 少なめ | やや残りやすい |
日中はボディクリームで快適さを優先し、夜や手洗い後はハンドクリームでしっかり保護する。このように時間帯やシーンで使い分けると、手肌のストレスを減らしやすくなります。
手の乾燥対策は「どちらが正解か」ではなく、「今の状況に合っているか」で考えることが大切です。目的を意識して選べば、ボディクリームも立派な代用アイテムとして活躍してくれます。
筆者の実録!旅行の荷物を減らす代用テクニック
旅行のたびに悩むのが、ボディクリームのかさばり問題です。普段は気にならない大容量ボトルも、数泊の旅行となると意外に重く、スーツケースのスペースを圧迫します。私自身も、以前は「念のため」と詰め替えていましたが、結局ほとんど使わずに持ち帰ることが多く、無駄を感じていました。
そこで実践しているのが、ハンドクリームと化粧水で代用する方法です。結論から言うと、短期の旅行であればこの組み合わせで十分に乗り切れます。ポイントは、役割を分けて考えることです。化粧水で水分を補い、ハンドクリームで油分のフタをする。この発想に切り替えるだけで、ボディケア用品を一気に減らせます。
具体的な使い方はシンプルです。お風呂上がり、まだ肌が少し湿っている状態で化粧水を全身に軽くなじませます。顔用のもので問題ありません。その後、乾燥しやすいすね、ひじ、ひざを中心にハンドクリームを薄く伸ばします。広範囲に一気に塗ろうとせず、乾燥しやすい部分に絞るのがコツです。これだけで、翌朝のつっぱり感はかなり抑えられます。
| アイテム | 旅行中の役割 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 化粧水 | 水分補給 | 全身に軽く |
| ハンドクリーム | 油分のフタ | すね・ひじ・かかとなど |
実際にこの方法を取り入れてから、持ち物は減り、パッキングも楽になりました。特に機内持ち込みのみの旅行や、1〜2泊の出張では効果を実感しやすいです。
もちろん、長期滞在や乾燥が厳しい季節には専用のボディクリームが安心です。ただ、「数日だけ」「できるだけ身軽に」という条件なら、ハンドクリームと化粧水の組み合わせは現実的で失敗しにくい選択肢だと感じています。旅行中のボディケアは完璧を目指すより、無理なく続けられる形を選ぶほうが、結果的に肌の調子も安定しやすくなります。
本気で美肌を目指すなら専用アイテムを使おう

余ったハンドクリームを体に使う方法は、無駄を出さない賢い工夫です。ただし、それはあくまで「もったいないから」の応急的な選択にすぎません。本気で美肌を目指すなら、やはりボディ用に設計された専用品を使う価値があります。
理由のひとつは、設計思想の違いです。ボディケアアイテムは、広い面積に塗ることを前提に、伸びの良さや摩擦の起きにくさが細かく調整されています。マッサージをしながら塗っても肌に負担がかかりにくく、結果として血行促進やむくみケアにつながりやすくなります。これは、手の保護を目的としたハンドクリームには求められていない役割です。
もうひとつ大きいのが、香りによるリラックス効果です。ボディケア専用品は、入浴後のリラックスタイムを想定し、精油ややさしい香調が選ばれていることが多くあります。香りが心を緩めることで、呼吸が深くなり、マッサージの効果も高まりやすくなります。肌だけでなく、気持ちまで整える設計になっている点は、専用品ならではの強みです。
さらに、保湿の持続力にも差が出ます。ボディクリームやボディオイルは、水分保持と蒸発防止のバランスが全身向けに最適化されています。そのため、翌朝までしっとり感が続きやすく、乾燥による粉ふきやごわつきを防ぎやすくなります。代用ケアでは届きにくい部分を、日々少しずつ底上げできるのが専用品の価値です。
代用は上手に使えば便利ですが、理想の肌状態を目指す段階では、限界も見えてきます。保湿とマッサージを習慣として定着させたいなら、専用アイテムに切り替えることで、ケアの質そのものが変わっていきます。
全身を美しく保つための、正しいボディケアの手順や、マッサージと保湿を組み合わせた考え方については、「30代が実践したいボディケアは?適切な保湿とマッサージのコツを解説」で解説しています。日々のケアを見直すヒントとして参考にしていただければ幸いです。
まとめ
ハンドクリームは油分が多く、肌表面を覆って水分の蒸発を防ぐ「保護」に優れたアイテムです。かかとやひじ、膝など乾燥しやすいパーツケアには相性が良く、しっかり密着してうるおいを守ってくれます。全身に使う場合は、そのまま塗るよりも化粧水と重ねたり、手のひらで混ぜてから使うと伸びが良くなり、摩擦を抑えやすくなります。
一方で、広い範囲を快適にケアしたいときや、香りやマッサージ効果も重視したい場合は、ボディ専用アイテムを取り入れる方が満足度は高まります。用途に合わせてハンドクリームとボディクリームを使い分けることで、無理なく賢い全身ケアが続けやすくなります。
自分に合ったボディケア商品を探したい方は、「乾燥肌におすすめのボディケアは?美しい肌を保つ習慣を解説」もチェックしてみてください。
投稿者プロフィール
- Hana
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美容が好きで、長いあいだスキンケアやインナーケアを中心に学び続けてきました。年齢を重ねると肌質や体調が変わりやすくなり、迷うことも増えます。その中で、無理のない方法で自分を大切にする時間を届けたい気持ちが芽生え、このサイトを立ち上げました。
必要以上に難しい知識を並べるのではなく、日々の生活で取り入れやすい美容の考え方や心地よさにつながる習慣を伝えています。仕事や家事に追われる日も、美しさをあきらめない方に寄り添える情報を届けることが目標です。
スキンケア、ボディケア、ヘヤケア、インナーケア、ハンドケアを通して、読者の方が自分らしい美しさを育てるきっかけになれば幸いです。
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美容が好きで、長いあいだスキンケアやインナーケアを中心に学び続けてきました。年齢を重ねると肌質や体調が変わりやすくなり、迷うことも増えます。その中で、無理のない方法で自分を大切にする時間を届けたい気持ちが芽生え、このサイトを立ち上げました。 必要以上に難しい知識を並べるのではなく、日々の生活で取り入れやすい美容の考え方や心地よさにつながる習慣を伝えています。仕事や家事に追われる日も、美しさをあきらめない方に寄り添える情報を届けることが目標です。 スキンケア、ボディケア、ヘヤケア、インナーケア、ハンドケアを通して、読者の方が自分らしい美しさを育てるきっかけになれば幸いです。
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