ほほ笑んでいる女性

正しいスキンケアの順番は?朝夜で手順を変えるべき?

スキンケアをする際は、ついアイテムばかりに注目してしまいがちです。しかし、本当に大切なのは「どの順番で・どのタイミングで使うか」ということです。化粧水や美容液をしっかり使っているのに、期待しているような変化が得られないときは、順番や時間が適していないのかもしれません。

本記事では、朝と夜で手順を変える理由はもちろん、正しいスキンケアの手順について解説します。ハリ・シワ・乾燥などのお悩みを抱えている方はもちろん、効果的なケア方法を知りたい方はぜひチェックしてみてください。

なぜスキンケアの「順番」を守る必要があるの?

テーブルに並んだスキンケアアイテム

スキンケアのアイテムには、化粧水・美容液・乳液・クリーム・オイルなどさまざまなものがありますが、これらはただ肌に塗ればいいわけではありません。それぞれの役割を発揮するためには、適切な順番で使うことが大切です。

まずは、スキンケアの順番が大切な理由や、適切な手順について解説していきましょう。

基本原則は「水分の多いもの」から「油分の多いもの」へ

スキンケアは、アイテムの種類によって重ねる順番が決まっています。これは、化粧水 → 美容液 → 乳液・クリームのように、水分が多いものから油分が多いものへ重ねると浸透しやすいという基本原則によるものです。

たとえば、化粧水は肌に水分を与える役割があり、乳液やクリームはその水分を油分でしっかり閉じ込めるフタの役割を果たします。もし油分の多いアイテムを先にのせてしまうと、その油膜がバリアになり、後からのせる化粧水や美容液が肌に入りにくくなってしまいます。

つまり、スキンケアの順番を守ることは、アイテムの力をしっかり届けるために必要なルールです。「お手入れを頑張っているのに、肌が応えてくれない…」「肌悩みに合うアイテムを選んでいるのに、変化が実感できない…」という方は、使用する順番をチェックしてみると良いかもしれません。

朝と夜ではスキンケアの「目的」が全く違う

スキンケアの順番は、朝と夜で同じように見えても、実は目的がまったく異なります。順番をきちんと守ることで、スキンケアアイテムの機能を十分に発揮させることが可能となります。

まず朝のスキンケアは、外部刺激から肌を守ることが基本です。日中の肌は、紫外線・乾燥・排気ガスなど、さまざまな刺激にさらされています。そのため保湿とUVケアをきちんと行うことで、「肌を守るバリア」を作ることが重要です。

続いて夜のスキンケアは、1日のダメージをリセットすることが目的です。メイク・皮脂・ホコリなど、肌についた汚れを残さないように心がけましょう。すこやかな肌を保つためのターンオーバーは睡眠中に活発化するため、就寝前の肌に水分と栄養を補ってあげることが大切です。

基本のスキンケアの順番を細かく解説

 順番の大切さをおさえたところで、続いてはアイテムを使ったステップを理解していきましょう。ここでは、朝と夜に分けて具体的なステップを解説します。

【朝の順番】メイク崩れを防ぎ一日中潤う5ステップ

朝、起きたばかりの肌は、睡眠中に分泌された皮脂やほこりなどが付着しています。まずは、そうした汚れを落としつつ、肌の状態を整えていくことが大切です。基本となるステップは、次の通りです。

  1. 洗顔…化粧料を手に取り、しっかりと泡立ててやさしく洗う
  2. 化粧水…手に広げた化粧水を、肌にやさしくなじませる
  3. 美容液…化粧水ではカバーできない成分をさらに補う
  4. 乳液…化粧水や美容液で与えた成分が蒸発しないように、肌の表面にふたをする
  5. 日焼け止め(UVケア)…肌の水分や油分を整えたあと、メイク前に塗るのが基本

特に30代以降は、「日焼け止めまでがスキンケア」という意識がとても大切です。紫外線はシミの原因になるほか、乾燥・毛穴の開き・ハリ不足などさまざまなあエイジングサインにつながるため、忘れずに実施しましょう。

【夜の順番】肌ダメージを修復や保湿する5ステップ

朝とは異なり、夜のスキンケアには肌のダメージを修復する目的があります。日中に付着した汚れをきれいにして、肌を整えていくのが重要です。夜におけるスキンケアの基本的な手順は、次の通りです。

  1. クレンジング…メイクの汚れをしっかりと落とす
  2. 洗顔…肌に付着した余分は皮脂などを洗い落とす
  3. 化粧水…デリケートな状態になっている肌に潤いを与える
  4. 美容液…化粧水に含まれていない美容成分を補う
  5. クリーム…化粧水や美容液で補った成分が蒸発しないよう、表面に蓋をする

なかでもクリームは、乳液よりも油分が多く保護力が高い傾向があります。特に30代は肌の乾燥が気になり始める時期なので、肌の状態に応じてナイトクリームの使用するのがおすすめです。

導入液やパックはいつ使う?アイテム別の正しい割り込み順

基本的なスキンケアで物足りなさを感じているときや、さらに肌の状態を整えたいと感じているときは、導入液やパックを使うのがおすすめです。ここでは、それぞれを使用するタイミングを解説します。

導入液(ブースター)は「洗顔直後」が基本

導入液には、肌の角質層を柔らかくする役割があります。化粧水や美容液の浸透を助けるので、洗顔がした後、すべてのケアのはじめに使うのが基本です。化粧品のなじみがよくなるため、特に乾燥によってごわつきやザラつきがちな肌に適しています。

そのほかのアイテムと同じように、導入液にもさまざまなテクスチャがあるため、好みや肌質に応じて使い分けましょう。悩んだときは、春夏はさっぱりとしたタイプ、秋冬にはこっくりとしたタイプを選ぶのがおすすめです。

また、導入液は保湿だけでなく、美白を目的としたアイテムもあります。含まれている成分をチェックし、どのような肌を目指したいかを考えるのがポイントです。

シートマスク(パック)は「洗顔後か化粧水の後」が基本

製品にもよりますが、シートマスクは洗顔後の肌に使うか、化粧水の後に使うのが基本です。そのままマスクを顔に貼り付けるほか、クリームやペーストを肌に塗布して洗い流すものもあります。使用時間は製品によって異なるため、使用する前に基準を確認してください。

毎日使えるものもありますが、ピーリング効果があるものは肌に負担をかけてしまうケースも。そのため、毎日使うとかえって肌への赤みやニキビ、乾燥などの原因になることがあります。

そうしたピーリング効果のあるものは、基本的には1週間に1回ほどの使用が推奨されています。肌の状態によっては、使用そのものを避けた方が良いケースもあるため、使用上の注意をきちんと確認しておきましょう。

アイクリームや部分用美容液は「全顔用美容液の後」

アイクリームは、皮膚が薄く乾燥しやすい目元専用のケアアイテムです。部分用美容液は、シワができやすい口周りやおでこなどに使用するのが基本となります。どちらも保湿力が高くテクスチャがこっくりしているため、スキンケアの後半に組み込むのが望ましいです。

毎日継続して使うことが望ましく、刺激を与えないよう心がけるのもポイントです。肌に摩擦を与えると、かえってシワやたるみの原因になることも。適量のクリームを指先にとって、指の腹でやさしくなじませてください。

なお、アイクリームはエイジングサインを感じたときのほか、シワやたるみができる前の予防策として取り入れるのがおすすめです。ご自身の肌の状態に合わせて、取り入れましょう。

浸透待ちは必要?スキンケアにかける「時間」の正解

スキンケアアイテムの役割をきちんと果たすためには、各工程の間に待ち時間が必要なことがあります。ここでは、浸透待ちの時間について解説しましょう。

各工程の間は「1分〜3分」なじませるのがベスト

スキンケアの効果をきちんと引き出すためには、各工程の間に1〜3分ほど「なじませ時間」をつくることが大切です。塗ってすぐに次のアイテムを重ねてしまうと、肌表面で混ざり合ってしまい、ムラになったり浸透が悪くなったりする原因になります。特に美容液や乳液は、肌に密着させることが重要です。

おすすめは、塗布したあとに両手で包み込むようにハンドプレスすること。「手のひらが肌に吸い付くように感じたら」次へ進むサインです。肌がしっとりと落ち着き、過剰な表面の水分がなくなったタイミングを目安にしましょう。

お風呂上がり・洗顔後は「60秒以内」にスタート

入浴直後や洗顔後の肌はうるおっているように見えますが、実際は急速に乾燥が進んでいます。水分は放置すると1分以内にどんどん蒸発してしまい、つっぱりや小じわの原因に。そのため、スキンケアは「60秒以内にスタートする」のが理想です。

最初に使うアイテムは、導入液または化粧水です。どちらも肌に水分を届ける役割があり、乾燥が進む前にすばやく塗ることで、その後の美容液や乳液の浸透もぐっと高まります。

特に30代は乾燥スピードが早くなるため、間髪入れずにケアすることが肌状態を左右する大きなポイント。タオルで軽く水気を拭いたら、そのままスキンケアに移るのがベストです。

朝のスキンケア後は「5分」置いてからメイクへ

朝のスキンケアが終わった後は、メイクに入るまで5分ほど時間を置くのが理想です。スキンケア直後の肌はまだ湿っており、そのままファンデーションを重ねるとヨレや浮きの原因に。特にTゾーンや目元周りは油分や水分が残りやすいため、しっかりなじませてからメイクすると格段に仕上がりが良くなります。

5分の待ち時間は、着替えをしたり、髪を整えたり、持ち物の準備をするなど、朝のルーティンに組み込むと続けやすくなります。肌がしっとり落ち着いた状態でメイクを始めると、化粧ノリが良くなるだけでなく、一日中崩れにくいベースメイクが完成します。

あまり時間がたっていないのに、メイクが崩れてしまうときは、水分・油分が過剰だったり、メイクが厚塗りになったりしている可能性があります。ケア方法とメイク方法を合わせてチェックしてみましょう。

参考:資生堂 美容技術専門学校 メイクの基本

30代からの肌悩みを解決する「効かせる」使い方のコツ

30代を迎えると、さまざまな肌悩みが増えていきます。ここでは、スキンケアアイテムでしっかりと肌悩みにアプローチするコツについて解説しましょう。

化粧水は「500円玉大」を2回に分けて入れる

化粧水は一度にたっぷりつけるよりも、500円玉大を2回に分けて重ねるほうがぐんと浸透しやすくなります。大量に一度にのせると肌表面に水分がとどまり、奥までうるおいが届きにくい場合があります。2回に分けることで、水分が角層にゆっくり広がり、しっかりとなじむ感覚を得られるはずです。

1回目は全体に軽く広げ、2回目は乾燥しやすい頬や目元を中心に重ねるのがおすすめ。ハンドプレスをしながら「肌が手に吸い付く感じ」になったら十分な水分が入ったサインです。

30代は乾燥によるくすみやゴワつきが増えやすい年代。化粧水の入り方が変わるだけで、その後の美容液やクリームの効果にも大きく差が出ます。

美容液は「悩み別」に使い分けるか複数を重ねる

30代になると、シミ・毛穴・ハリ不足・乾燥など、肌悩みが多様化しています。そのため、ひとつの美容液だけでカバーしきれないこともあるでしょう。

そこで意識したいのが、悩み別美容液の使い分けまたは複数の美容液を重ねるケアです。たとえば、シミ・くすみにはビタミンCやナイアシンアミド、ハリ不足にはレチノール、乾燥にはセラミド配合の美容液など、目的に合わせてアイテムを選びましょう。

なお、複数の美容液を使う場合は「サラサラ → とろみ」のテクスチャ順に重ねるのが正解です。軽いものから先にのせることで、浸透しやすくムラなくケアできます。

まとめ:正しい順番と時間を守れば今の基礎化粧品でも肌は変わる

スキンケアは、アイテムの質だけでなく「使う順番」と「なじませる時間」がとても大切です。どんなに良い化粧品でも、順番が逆だったり急いで塗ってしまったりすると、本来の役割を果たせません。丁寧なケアをしているはずなのに、思うように効果が得られないと感じたら、手順や時間を見直してみてください。

スキンケアは、ご自身に適したアイテムを選ぶだけでなく、適切な使い方を守ることがすこやかな肌作りにつながります。本コラムを参考に、年齢に負けない美しい肌を目指していきましょう。

投稿者プロフィール

Hana
美容が好きで、長いあいだスキンケアやインナーケアを中心に学び続けてきました。年齢を重ねると肌質や体調が変わりやすくなり、迷うことも増えます。その中で、無理のない方法で自分を大切にする時間を届けたい気持ちが芽生え、このサイトを立ち上げました。

必要以上に難しい知識を並べるのではなく、日々の生活で取り入れやすい美容の考え方や心地よさにつながる習慣を伝えています。仕事や家事に追われる日も、美しさをあきらめない方に寄り添える情報を届けることが目標です。

スキンケア、ボディケア、ヘヤケア、インナーケア、ハンドケアを通して、読者の方が自分らしい美しさを育てるきっかけになれば幸いです。