怖い話

廃墟巡りしてたら呪われてた

幽霊なんか信じてない俺なんだが、心霊スポットとか廃墟とかに行くのが大好きで高校生くらいの頃はよく友達と行っていた。

よく一緒に行く3人がいたんだ。ABCにしとく。
呪われると噂の場所はガンガン行ったし、ここでこれをすると呪われると言われる行動は率先してやるような馬鹿だった。
まずは4人で行った時の話をしようと思う。

スペック書いとくわ。

俺→童貞。幽霊とか言ってるやつバカじゃねーの?
A→DQN。幽霊?いるんじゃね?
B→同じくDQN。幽霊とかこ、こわくねえし!
C→いいやつ。幽霊なんていませんよw

大阪の皆殺しの館とかいう廃墟に向かった。
父親が家族を斧で惨殺して自分も自殺?忘れた。
んで、返り血が残ってるとか家中にお経が書いてあるとか、行ったら呪い殺されるとかのありふれた噂があるとこだった。

Aの
「お経読もうぜ」
の一言で決まった企画である。

途中はすっ飛ばすが、いろいろ遊びながら廃墟があるだろう敷地の竹藪の前に着いた。

夕方の少し暗くなり始めたころだった。
その家一軒のためにトンネルと道路が作られたような所で、トンネルは封鎖されていた。
頑丈に鍵がつけられ、明らかにもう何年も人が触れたような跡は無い。

A「さっきフェンスのとこあったやん」
ということで、フェンスをよじ登って侵入した。

トンネルの先の舗装された登り坂を進むと、だだっ広い芝生に出た。
何もなかった。井戸がひとつ、ぽかんと口を覗かせていた。

B「はぁ!?なんもねー」
みんな一気にテンションダウン。
AとBは文句言いながら座ってだべり始めた。

俺とCは、この家で亡くなった家族の墓があるという嘘か本当かわからない程度の噂から、周囲を散策。
少し高台になってて、正面と左手は遠くに少し民家が見える。
右手は森のように鬱蒼としていて入る余地がない。

AとBは「貞子ーw」とか言って井戸で遊んでる。

一瞬、風が強くなって森の生い茂っていた草が揺れた。
「あっ」って声が出た。
一瞬だが、草が隠してしまっている先に一本の轍が見えたんだ。

C「なんかあったな」

Cも気付いてたことにびっくりした。
二人で草を掻き分けもう何年も誰も踏んでなさそうな獣道を進む。
日が暮れてしまったのかと思うほど暗い。
倒木や落ちてきた枝で完全に塞がれているところは、若い男二人で力づくでどけた。
更に進んでいくと、突然前に壁が現れた。
敷地の端に着いたんだと思う。

その時、突然耳鳴りのように周りが静かになって、空気が変わった。
Cは壁に向かって右側をじっと見てる。俺も右を見た。

墓だった。
ちゃんとした墓石ではなくただの石が置いてある感じ。
だが、よく見ると線香とかいろいろ置いてあり、墓とわかった。

その中に、キレイな花が供えられていた。
まさに今供えられたのかと思うほどみずみずしい。
どう考えても人が来た跡はなかった、と言うよりあの倒木や大きな枝を越えて来れるはずなかった。

C「とりあえず戻ろ!」

珍しく焦るC、そのことに焦った俺も早く戻りたかったのですぐに引き返した。

墓の話はしてないので、Cも気づいたか気になって引き返しながら話す。

俺「なんかおかしくない?」
C「マジであいつなんなん!?」
俺「えっ?」

ここからCから聞いた話。

墓の前に着いたとき耳鳴りがした。

視線を感じて右を見たら墓の後ろの森の中からこっちを見てる人がいた。

いつのまにかいなくなってたこと、笑ってたように見えたこと、女のように見えたことだけ覚えてるという。

墓のことは気づかなかったらしい。
戻ってAとBにも話す。

A「じゃあ、その人は親族かなんかで、裏道を知ってて花持ってきてるんじゃね?」
B「そ、そんな話全然怖くねーしwww」
A「あーでも俺もさっき耳鳴りしたわ」

結局そういうことにして忘れることにした。
一応このあともちょっとしたことはあったが割愛。

まあこんな感じで、霊体験かわからんが不思議なことはよくあった。
これはDの運転で2人で三重の方の廃墟に行ったときのこと。
他の廃墟とは廃トンネルとかも回ったけど特に何も無かったので割愛。

Dも幽霊なんか信じてない。
何故か俺は助手席じゃなくて後部座席に座ってた。
その廃墟ってのが場所を確定できてなくて、大体の場所からは自力で見つけようって作戦だった。

いろいろ迷いながらもそれっぽい細い道に入って行ったんだ。
鬱蒼とした森の中車一台がギリギリ通れるような道で、一応舗装はされてるが路面は苔で覆われていた。
一面苔だらけで緑一色。もう長いこと車が通っていないことがわかる。
その道をひたすら進んだ。

結構奥まで進んだとき、ふいにゾクッとした。
空気が変わった。車の中なのに。
同時にDが声を上げた。

D「うわっ…ここなんかやばくないか?」

俺も思ってた、なんて言いながら周りを見渡す。
すると、正面の上の方に白いものが見えた。

看板だった、割れてぼろぼろの。

ずっと変わらない景色だった。
なのに、二人同時に何かを感じたんだ。
看板は木の枝に隠れていて普通は見えない。
屈んでやっと見えるところにあったんだ。

惹かれるように右を見た。
木や草に覆われてるがよく見たら川がある。
道沿いにずっと川があったらしい。

その川の向こうから、廃墟の真っ黒な窓がこっちを見ていた。
吸い込まれそうな黒だった。
何か視線を感じた。

廃墟の真っ黒な窓。
窓そのものが目になったかのような、視線の正体はそれか。

心臓がハネ上がっていたが、すぐに落ち着き廃墟に侵入することに。

しかしDが
「ここはほんまにあかんわ。俺は入りたくない」
とか言って異常に怖がるんだ。

D「さっき耳鳴りしてから調子悪い」

仕方なく俺一人で向かう。

川を渡るのに橋がかかってるんだが、よく見ると橋桁が全部落ちてる。
欄干を掴みながら必死で渡る。
ここが正直一番怖かった。

そして廃墟の入り口が見えてきた。
だが、入り口があるのに中が見えない。真っ黒だ。

なんと大量のアブ?がいて後ろが見えないくらい真っ黒になってた。
しかもちょっと近づいてきてる気がする。
虫は俺マジでダメなんだ。
結局中には入らなかった。

こんな感じで心霊的なものはなかった。
ただ、俺といる人が同時に何かを感じてしまうこと、
それがこんな感じで結構あったんだ
俺抜きで行くときは何も起こらないらしい 。

ここからが本番。
怖さが本番ってわけでもないから期待はするな。

ABCと4人である廃墟に行った。
山奥の川沿いにあるホテルか旅館の廃墟で、火事で営業停止、オーナーが首吊りというどこにでもある嘘っぽい噂があった。
このときは夜電車で行って、始発で帰るという廃旅館1泊2日プランだった。

A「廃旅館?じゃあ泊まれるっしょw」

という一言で決まった企画である。

落石だらけの封鎖された山道を歩いていると、あの耳鳴りみたいなのが俺とAとCにきた。
地図を見ると位置的にもう目的の廃墟の真裏にいるらしい。

A「廃墟見つけるの楽だわ」

この感覚をAは信じてるみたいだった。

敷地の入り口らしきところは封鎖されていた。
バキバキッ
C「おっ、あいてるあいてる」
旅館の持ち主様本当にごめんなさい。

なぜか懐中電灯を持ってきたのは俺だけだった。
ちなみに俺の懐中電灯は車のハイビームくらいの威力があってめっちゃ明るい。

ただし、廃病院の地下に侵入したときに新品の電池を入れてたはずなのに突然消えたりするお茶目さんだ。
この話もよく考えたら怖かったがもう遅い。

真っ暗な道を懐中電灯で照らしながら進み、廃墟に辿り着いた。
廃墟の窓ってなんであんなに真っ黒なんだろう。
今までに何度も見た光景だが、やっぱり気味が悪い。
懐中電灯で照らすと、一瞬人影が見えた。

A「誰かいたな。ここ有名なん?」
B「何あれなに今の!?」
C「先客かー」
俺「冷めるな」
B「ヤバいヤバいヤバい!!」

実際今までにもなんどか肝試しするDQNに遭遇していたので慣れている。
一応お互い迷惑にならないよう騒がないようにしようということに。
Bは一見DQNだが、幽霊もDQNも警察も怖いへたれ。

玄関も何もなく一階に入った。
地面は砂のような埃のようなよくわからんもので覆われている。
特に何もなかったが、ダクトやらなんやら天井から落ちてたりぶら下がったりしていた。

見ているうちに気付いた、金属は溶けて曲がっているし、木材や壁は真っ黒に焦げている。
火事の噂は本当だった。
そう思った途端、天井からぶらさがってるものが首吊りのロープに見えてくる。

まぁ気のせいだ。
とりあえず階段を見つけたので上ってみる。

ここで予想外のトラブル。
防火シャッター?かなにかが降りていて、階段から先に進めない。
3階4階まで見たが同じだった。

しかし俺たちはこんなトラブルにも慣れていた。
階段側の窓と2階側の窓の距離は1m程度。
ちょっと怖かったが跳んだ。

B「無理無理無理無理!!」

うるさいのでもう帰って欲しかった。
割れたガラスが残ってて怖かったが、なんとか誰も怪我せずに入れた。

2階は部屋やら物やらいっぱいある。
壁が中途半端にぶち抜かれたりしていた。
3階も同じような感じだった。

2階から順にくまなく捜索して、特に面白いことも無いまま屋上に着いた。

ちなみに階段は一つだけだ。
奥にもう一ヵ所あったが完全に抜けていた。
廃墟の立地は、正面以外は崖になっている。

時間はまだ深夜12時。
始発は6時だ。
AとBが飽きたのか、俺が持ってきたレジャーシートを敷いてコンビニのおにぎりを食べ始めた。

俺とCは物足りないのでもっと散策することにした。
トランプとUNOをABに渡し階段を降りた。

突然耳鳴りのようなキーンとした感覚。
まだ見ていなかった1階の奥の方に行った時だった。

C「またかよ…」

やはりCも感じている。

奥の窓は全開で、木が鬱蒼とした崖が見える。
そのむこうは闇なんだが、その闇が動いている。
闇の中で何かが動いている感じ。
背景が見えたり見えなくなったりするあの感じ。
何かわからないがちょうど人ぐらいの大きさ。
なのに全体的にぼやけてよくわからない。

本能的にヤバいと感じて少し後退りする。

俺「何あれ?」
C「コウモリの群れとか」
俺「もっと細かくない?」
C「動いてる」
俺「こんなんゲームで見た気がする」
C「こっち来てるよな」
俺「うそぉ!?」

二人揃って逃げ出した。
Cが前を走って階段をのぼる。
正直俺はこの敷地から出たかったが、荷物とABを置いてはいけないので仕方なくついていった。

Cが窓によじ登り、飛び越える。
それを焦りながら待つ俺。
階段の下から断続的な音が聞こえてくる。

ーーーンンーーーンーーーーーー

虫の羽音のような、壁の向こうで男が喋っているのが響いているような、そんな音。

後ろも振り返らず飛び越えた。
そのまま屋上まで走った。
背後からは気配が消えない。
階段を上りきり、屋上に出る。

A「うのぉっ!!」
B「うわぁーやべー!?」

呑気にUNOしてやがる。
2人でやって何が面白いのか。

その後はUNOしながら今見た人型の話を2人にした。

A「そいつ俺の連れだわwww」
B「つ、作り話バレバレ!!」
Bはビビりまくり。
Aは爆笑。

A「もっかい見に行こーぜwww」
A「案内して」
俺「了解」
B「そ、そんなことよりババ抜きしようぜ!」
C「じゃあ俺おにぎり食いたいしBと待ってるわ」

俺とAが1階に行くことになった。

耳鳴りってのは正確には耳鳴りじゃない。
耳鳴りするときって回りが静かになるだろ?そんな感じだ。
空気が変わる。

Aの過去の女の話で盛り上がりながら1階へ。
奥は真っ暗。
懐中電灯Cに渡したのを忘れてた。
仕方なく携帯の明かりで進む。

階段と屋上は月明かりで結構明るいから見えるんだ。

1階まで降りたがさっきの気配は消えていた。
アレを見た奥に向かう。

奥の広場まできた。
窓を凝視しながらゆっくりと近づく。

窓に集中するあまり、瓦礫に足を取られて躓いた。

瞬間、空気が変わった。

キィーン…

ーーンンーーーーンーーーーー

あの音が聞こえる。

顔を上げると、目と鼻の先に顔があった。
真っ赤な唇の女の顔。
カタカタと首を振りながら笑ってる女の顔。

A「うわぁ!!」

Aの声に驚いて振り返ると、Aの目の前に黒い影がいた。
さっきのやつだ。
蠢く黒い小さな何かが集まって、人のような形を作っている。

同時に走る2人。
階段を上るA。
俺もそのあとについていく。

だが、ふっと気配が消えた。

助かった…

Aは先に行ってしまってるのでとにかく上に向かう。

屋上のすぐ下の階に着いた。
屋上だけは別の階段を使うんだ。

廊下を跨いで向こう側の部屋を見た。

それはいた。

真っ黒ななにか。
部屋を多い尽くすような真っ黒。

屋上へと急いだ。

屋上に着くと、人影が一つ

Aだった。
逃げられたことにほっとした。

いい忘れたんだがさっき女の顔を見たのはA。
つまり、俺がキーンって感じた瞬間、Aは女を見ていた。
俺には黒い影にしか見えなかった。
臨場感出すためにあとからAに聞いた話を繋げてみたんだ。

おかしい、2人がいない。
と思ったら叫び声が聞こえた。

直後屋上に上がってくるBC。

B「なんかいた!なんかいた!!」
C「さっきのやつ」

ここからはBから聞いた話なんだ。
Cはこのときのことをあまり話さない。

俺たちが下に行ったあと、Cもやっぱりどっか見に行きたくなったらしい。

C「ちょっと俺も見てくる」
B「やめとこ!」
C「いや一人で行くわ」
B「じゃあついてく…」

って感じで下に向かった。

3階に降りたときにふと、
C「そういや最初に見た同業者どこ行ったんやろ。他に出口無いけど」
なんて言うからBがパニック。
C「てか入口俺が破壊したのに他に入れる人いないよな」
B「帰ろ帰ろ!!」
と言いつつもびびって3階で動けなくなった。

それは突然きた。
二人ともあの耳鳴りのような感覚。
後ろから気配を感じて、振り返って後退る。

ーーーーーンンーーーーンーンンーーーーー

上下左右から気配と物音を感じて後退る。
気づけば、3階の奥、窓際まで来ていた。
そのまま硬直。
全身に何かの気配がまとわりつく。

そして何秒か何分かわからない時間が過ぎたとき。

大きな足音がした。
それで我に返った2人。

Bは惹かれるように振り返って窓を見た。

目の前に女の、顔

叫びながらBは逃げ出した。
Cもつられて逃げる。

そして無我夢中で屋上まで帰り、4人は合流した。

Bは4人いることで安心したようで、
「幽霊とか何もしてこねー!怖くねー!!」
なんて言ってた。

その後、忘れるためにみんなで大富豪した。
金を賭けて、
俺+5000円
A+3000円
C+2000円
B-10000円
くらいだったと思う。

その後何もなくその日は無事に家に帰ることができたんだ。

それから約5年…

高校卒業後は4人で会うこともなかった。
そして先週、Bが原付で事故って死んだ。

久しぶりにCに会って話した。
俺「あの時の呪いかな」
C「どのとき?心当たり多すぎてわからん」

Cは地蔵に供えられた饅頭を食べたりする。
そのときは確かに地蔵の呪いで腹をくだしたので、呪いの存在を全否定することはできない。

なぜBが死んだのか、なぜ進学校に通っていたBがカリスマ美容師を目指していたのか、なぜBは死ぬときにあの廃墟の近くにいたのか、謎は残されている。

廃墟巡りしてて思ったのは、
信じてない人には何も起こらないってこと。
逆に今ちょっとでも怖いと思ってる人は、、

後ろには気をつけろよ。